完璧な重量バランス

公開日 2022-06-22 最終更新日 2022-10-04

「LFAでは、主役を演じるのは常にドライバーであり、クルマはそれをサポートするのです」(棚橋晴彦チーフエンジニア)。LFAプログラムに着手する前、棚橋氏の開発チームは、自動車の基盤となる構造がその動力性能を左右することを切実に認識していました。ハイレベルの動力バランスを備えたクルマだけが、レクサスの名にふさわしいスーパーカーとなるのです。

高性能スーパーカーの理想的な重量配分は50:50。これが一般的な考えとされますが、完璧な重量比とは、クルマが潜在的な動力性能をフルに発揮できる比率のことです。これを念頭に置いたLFA開発チームは48:52の重量配分を目標としました。

LFAがフロントミッドシップエンジン/リヤトランスアクスルレイアウトを採用したのは、フロント/リヤの完璧な重量配分と高剛性の構造を実現するためです。この構成により、FRレイアウトがもつコントール性能や直線安定性と、MRプラットフォームがもつ高いハンドリング性能やコーナリング時の機敏性が融合しました。

V10エンジンと6速ASGトランスアクスルは、剛性トルクチューブで接続されています。この強固な連結により、パワートレーン全体の剛性が大幅に強化されました。

主要部品は可能な限りホイールベース内側の低位置に配置。燃料タンクは、リヤトランスアクスルをまたぐ鞍形状としました。アルミ製ブレーキキャリパーは、自動車の重心に近づけて配置し、ディスクには低重量のカーボンセラミック材料(CCM)を使用することにより、従来の鋳鉄ディスクと比較して20kgの軽量化を果たしました。

  • ミッドフロントエンジンとリヤトランスアクスルレイアウトにより、最適な走行バランスをもたらす48:52という理想的な前後重量配分を実現
  • フロントエンジンとリヤトランスアクスルをつなぐ剛性トルクチューブでバランスのとれた強靭なシャシー構造で必要とされる、エンジンとトランスミッションの柔軟なリンクが可能に
  • すべての主要補助部品の重量を最適化。慣性モーメントを抑制し俊敏性を高めるためホイールベース内側に部品を配置

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